|
|
|
『ニューヨーク便り』No. 4:1999. 11.23 ニューヨークの治安について ニューヨークで観光業に従事しているとたびたび質問されるのが治安のことだ。夜何時まで出歩いても大丈夫ですか?と、尋ねられる。近年治安は見違えるほど良くなり、私自身ニューヨーク滞在12年間で身に危険を感じるような経験がないので、あまり念入りに何度も尋ねられると、なぜそんなに心配ならニューヨークに来るのかと、思わざるを得ない。恐いもの見たさで、来るのか?治安の心配より魅力的なものがあるがために友達に生きて帰って来いよ、といわれながらもみんなが行くから私もと、思っているのか? 実際、凶悪犯罪は年々減少の傾向にある。また凶悪犯罪が多発する場所は低所得層が多く住むスラム街なので、観光客が行動する観光名所やホテル街ではまったくといっていいほど犯罪はない。スリなどの盗難をたまに耳にする程度だ。よってかつては住みたくない、訪れたくない全米都市のトップにランクされていたニューヨークはいまや人気の観光地、生活都市となっている。 子供連れの家族旅行から中高生の、または年輩の方達のグループ旅行の増加は以前には考えられなかったことだ。観光産業はどこもて大流行だ。ホテルが全米一高く、狭くても予約が取れない。タイムズスクエアのホテル街の予約が取れず、北や南の住宅街のホテルやさらにはハドソン川を越えたニュージャージー州に滞在せざるを得ないという状況になっている。自由の女神行きのフェリーやエンパイアステイトビルの展望室に登るエレベーターは長蛇の列だ。世界の十字路といわれるタイムズスクエアは新しいビルの建築ラッシュで交通が滞っている。外から見れるようにと作られたMTVのスタジオの夕方のショウに若者が看板を持ってビルの前の歩道からあふれて通行人をふさぎ、車道の車さえまともに走れない。向かいには三大ネットワークの一つのABCのスタジオが同じように外から覗けるのでこちらも人だかり。大手ミュージック店では店内外で無料のコンサートをおこなったりで、タイムズスクエアはいまや遊園地と化している。 観光客にはおもしろいでしょう。ただここはビジネス街でもあるので、足早に移動するビジネスマンのスピードはノンビリの観光客と噛み合わない。仕事をし、生活するものにとっては近寄りたくない場所となってしまったようだ。
|
|
|